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グリストラップをタイプ別に分類してみた【元作業員の解説つき】

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グリストラップにはいくつかの種類があります。

形や素材、設置場所など、意外に違いがあるのです。

「こういうグリーストラップもあるんだな」と知っているだけでも損はしない?かもしれません。

 

 

グリストラップのタイプ別分類①形

まず、形で分類してみましょう。

大きく3つのタイプがあります。

浅型、深型、床置き型の順に説明していきます。

1.浅型

浅型グリストラップの一例(容量50リッター・横幅90cm)

小~中規模の飲食店に多いのが、この浅型タイプです。

おもに厨房内に設置されることが多く、屋外ではめったに見かけません。

サイズ(容量)は20~200リッター位までラインナップがあり、床下に埋め込まれて設置されます。

サイズ(容量)というのは、グリストラップに溜めることができる水の容量のことです。

大きいほどたくさんの油脂分を回収できます。

ちなみに、家庭のお風呂の浴槽がだいたい200~300リッター位ですよ。

やまね

元清掃作業員の印象としては、80リッタークラスが平均的なサイズでした。

時代の流れとして、小型化の傾向があるように感じます。

浅型という字のとおり、水深が浅め(およそ10cm前後)に設計されています。

次で紹介する深型に比べ、設置工事のときに地面を深く掘らなくてよいという利点があります。

そのためビル内の店舗や、居抜き店舗の改装では浅型タイプがよく使われます。

日常清掃も比較的やりやすいといえるでしょう。

フタをのせる枠が平らなことと、排水口(トラップ管)が丸く曲がった形をしているのが特徴です。※箱型の場合もあります。

2.深型

深型グリストラップの一例(容量200リッター・横幅120cm)

中~大規模の店舗に多く見られるのは、こちらの深型タイプです。

厨房内、屋外のどちらにも設置されますが、屋外の場合には通常この深型タイプが選ばれます。

サイズとして60~600リッター位までのラインナップがあり、地中に埋め込まれて設置されます。

やまね
一般的な飲食店は100リッター位のサイズだった印象があります。

他には、たとえば郊外の焼肉店だと250リッター、大企業の社員食堂で500リッター、という感じでした。

水深が30~70cmほどと深く、容量が大きいため、油脂回収能力も高いといえるでしょう。

日常清掃では底部の掃除がしづらい面があります。

フタをのせる枠に「かさ」があるのと、排水口(トラップ管)がT字形でキャップがついているのが特徴です。

3.床置き型

床置き型グリストラップの一例(容量20リッター・横幅50cm)

最後に紹介するのは、床置き型です。置き型、箱型ともいわれます。

小規模の飲食店(個人経営のカフェなど)や、ビル内のコンビニに多く見られます。

やまね
最近のコンビニは、店内に調理コーナーがあるところが増えてきていますよね。

それに合わせてグリストラップの設置が必要になるわけですが、床置き型は大がかりな工事を必要とせず、低コストで導入できます。

そのため、最近はコンビニで床置き型を見かけることが多くなってきました。

サイズは小さめで、10~40リッターほど。

地中に埋め込まれず、シンク下にポコっと置く形で設置されるのが一般的なパターンです。

基本的にはシンク1台分の排水しか受け入れられないため、平均的な規模の飲食店には向いていません。

水を大量に流すとグリストラップ内の油脂が流出してしまったり、日常清掃が意外にやりづらかったり、という難点もあります。

 

 

グリストラップのタイプ別分類②素材

つぎは、グリストラップの素材で分類してみましょう。

FRP製、ステンレス製、モルタル製の3種類があります。

1.FRP製

FRP製グリストラップの一例。アイボリー色が特徴。

かんたんにいうとプラスチック素材です。

Fiber-Reinforced-Plastics(繊維強化プラスチック)の略で、ガラス繊維を何枚も重ねながらポリエステル樹脂で固めて加工されます。

お風呂の浴槽とおなじ素材だと考えて大丈夫です。

ステンレス製に比べ価格が安いためか、多くの飲食店ではFRP素材のグリストラップが選ばれています。

薬品や腐食に強い性質があります。

弱点として、熱で変形したり、亀裂が入りやすい面があります。

やまね
作業員として多く目にしたFRP製のトラブルは、従業員さんが掃除のときにフタを落としてしまって穴が開いているケースでした。

鉄製のフタは固く、角がとがっているため、簡単に穴を開けてしまうのです…

2.ステンレス製

ステンレス製グリストラップの一例。

ステンレスは金属です。

Stain-Less(サビがない)という名前の通り、さびにくい素材です。

また、強度が高く頑丈で、長持ちします。

グリストラップが破損して階下へ水漏れすることが許されない施設では、ステンレス製が選ばれます。

たとえば大型商業施設ではステンレス製が多いです。

FRP製に比べ高価ですが、長い目でみるとステンレス製がおすすめといえるでしょう。

まれにですが、グリストラップ内の部材の溶接が外れてしまうトラブルが起きることがあります。

3.モルタル製

割合としてはかなり少ないですが、モルタル(コンクリート)で作られたグリストラップもあります。

モルタルで作られた、といいますか、地中をグリストラップの形に掘り起こして空洞を作る、という感じです。

その空洞をモルタルで塗り固めて排水を引き込み、グリストラップ代わりにするのです。

手作りグリストラップともいえますね。

やまね
郊外のファミレスで、このモルタル型の巨大グリストラップ(畳4畳分くらい!)を見たことがあります。

市販のグリストラップを購入しないで済むのでコスト削減にはなりますが、経年劣化でモルタルが破損しやすいので注意が必要です。

 

 

グリストラップのタイプ別分類③設置場所

今度は、設置場所で分類してみます。

1.厨房内

ビル内の店舗や、小規模店舗では厨房内に設置されることが多いです。

シンクなどの排水設備からグリストラップまでの距離が近いので、排水管のメンテナンスがしやすいですね。

グリストラップの掃除をこまめに行わないと、厨房内に異臭がただよってしまうのが欠点です。

2.店舗内

厨房以外の店舗内にあるパターンです。

客席や、バックヤードにあったりします。

客席にある場合は、臭い対策をしっかりとらなければクレームにつながるので注意が必要です。

3.地下(床下)

まれなケースですが、1階の店舗から地下の倉庫などに排水管をつなげてグリストラップを設置されていることがあります。

グリストラップを店舗外に隔離できるので、臭い対策としては有効です。

地下以外として、床下のせまい空洞に設置されることもありますが、日常清掃が困難ですので避けるべき場所といえます。

4.屋外

郊外のロードサイド店舗や、大規模店舗は屋外にグリストラップが設置されることが多いでしょう。

冬場は気温が下がり油脂分が固まりやすくなるため、排水詰まりがよく起きます。

逆に夏場ですと、虫や臭いが発生しやすくなるので対策が必要です。

 

 

グリストラップのタイプ別分類④流入方式

厨房からの排水が、グリストラップにどのように流れ込むのか、の違いで2通りに分けられます。

1.排水管流入

床下に埋められた排水管でグリストラップに接続する方式です。

おもに軽飲食や小規模店舗に多く見られます。

例:カフェ、バー、洋食店など

2.側溝流入

側溝(排水溝)の出口にグリストラップを設置する方式です。

おもに重飲食、和食系、大規模店舗に多く見られます。

例:中華、ラーメン、寿司屋など

 

 

やまね
グリストラップをいろいろなタイプで分類してみました。

あなたのお店はどれに当てはまりましたか?

「グリストラップってこんなに種類があるんだね」と知っていただけたらうれしいです。

 

 

  • この記事を書いた人

やまねメンテナンス

首都圏で排水管の清掃業をやっています。 以前はグリストラップの清掃も行っていました。 作業員としての知識と経験が飲食店の方へお役に立てば嬉しいです。やまねメンテナンスのホームページ

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