【事例】グリストラップ配管洗浄と管内カメラ調査（勾配不良）

グリストラップつまり配管洗浄のご依頼

東京都葛飾区新小岩にある居酒屋様からのご依頼です。

グリストラップ先の排水がかなり流れが悪いそうで、水を使うとフタから溢れるくらいまで逆流してくるそうです。

なんとかだましだまし営業してきたそうですが、完全に詰まってしまう前に直しておこうということでご相談いただきました。

閉店時間に合わせて到着し、まず状況を確認したところ、たしかに流れはかなり悪い状態。

配管洗浄でしっかり清掃して欲しい、というご希望でしたのでエンジン高圧洗浄機をセッティングしました。

小さめのビルの１階店舗でしたので、作業前に屋外の下水合流マスと思われる地点も割り出しておきました。

グリストラップ下流側の排水管を高圧洗浄開始

まず最初にグリストラップ排水口側から高圧洗浄を始めます。

ある程度洗浄ホースが入ったところで、さきほど調べた屋外の下水合流マスを開けてみたところ、高圧ジェットの噴射音とともに汚れた水が流しだされていました。

屋内の作業はいったん止めて、今度は屋外に移動し下水合流マスからグリストラップに向けて洗管ホースを入れていきます。

結構な油脂系の汚れが洗い流されます。

高圧洗浄の時に注意していること

高圧洗浄ホースは、先端の金具（ノズル）から斜め後方に高圧水を噴射します。

このように先端ノズルから高圧水が噴射されます。

↓参考動画（やまねメンテナンス動画チャンネルから）

一人作業の場合は、この先端ノズルが排水管以外の場所に飛び出してしまわないよう注意が必要です。

グリストラップまで到達しているのにそのままホースを伸ばしてしまうと、高圧噴射によってグリストラップの汚水を室内にばらまいてしまいます。

噴射音の変化やホースの感触である程度は把握できますが、万が一のためにグリストラップのフタを閉めておく対策をとっています。

また、グリストラップではなくトイレの便器の方（汚水系統）へ入っていくこともあり、その場合は臭いが変わったり便器にあたる感触があるのですぐに引き戻します。

※ちなみに先端ノズルは種類がたくさんあり、前方に噴射するタイプや回転するタイプなどもあります。下の動画はノズルが旋回しながら高圧洗浄するタイプです。

高圧洗浄にて詰まりは改善。しかし勾配に問題あり？

グリストラップ下流側の高圧洗浄は完了しました。

グリストラップから屋外の下水合流マスまで約７ｍの作業となりました。

流水テストを行ったところ、異常なく排水されるように改善しています。

ただ、作業中に気になったことが一つあり、それは「排水管の途中で勾配が悪い部分があるのでは？」という疑いです。

勾配不良の排水管を洗浄するときは、詰まり汚れを清掃しているときとは異なる水の流れ方がします。

また噴射音の聞こえ方も異なります。

屋外で作業しているときにそういった症状がありました。

勾配に問題がある場合、配管内に汚水が滞留し油脂の固形化による詰まりが発生しやすくなります。

こちらの店舗様も、勾配不良が原因となって詰まりやすくなっている可能性は否定できません。

お客様にその点をご説明したところ、「配管内がしっかり綺麗になっているか」と、「勾配に問題があるか」の調査をしてほしいとご依頼がありました。

そこで管内カメラ調査を行うことにしました。

勾配不良の調査も兼ね管内カメラ調査を実施

勾配不良が疑われる場所は屋外下水合流マスのあたりです。

管内カメラを入れてみたところ、管内はキレイに洗浄されていますが、やはり勾配に問題があり、水が滞留した状態になっていました。

分かりにくいかもしれませんが、管内の半分ほどに水が溜まった状態になっています。

屋外部分なので、地盤の関係で配管が動き、勾配が悪くなったのかもしれません。

ビルの店舗ですと床下（階下店舗の天井裏）に設置された排水管が途中でたわんで勾配不良になっている場合もあります。

いずれにしろこのような状態ですと油脂汚れが管内に固着しやすく、詰まりが再発しやすいです。

根本的には地中を掘って排水管を組み直すのが一番ですが、そうでなければ定期的に排水管清掃を行うのがいいでしょう。

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