東京都渋谷区の飲食店舗様からご依頼を頂きました。もつ焼き屋さんです。
お話しを伺ってみると、お客様ご自身でグリストラップの排水管を高圧洗浄していたら逆に詰まってしまった!ということでした。もともと詰まり気味だったので高圧洗浄をされたのだとは思いますが、高圧洗浄によってはがされた汚れがさらに詰まりを悪化させてしまったようです。
高圧洗浄という作業は、確かにこのようなリスクというか性質があります。特に排水管の上流側からしかアプローチできない場合はこのようになりやすく、プロである私自身もかなり気をつかいながら作業しています。
現場に到着してみると、かたわらにお客様の高圧洗浄機がありました…。100Vのコンセント式のもので、某有名工具メーカー製でした。
早速、詰まっているという床置きグリストラップまわりを確認します。そこでまず思ったのが、「これはプロにとっても難しい部類の作業ですよ!」ということでした。理由としては、排水管が細く、さらに曲がりが何か所もあるからです。このような構造の場合、ある程度の洗浄圧力と、柔らかめの洗浄ホースがないと排水管の奥に進ませるのが難しいです。さらに細かく言えば噴射ノズルの選択や、ホースの手さばきなども経験が必要です。
グリストラップの状態ですが、到着時は一時的に水位は引いていました。しかし水道を流してみたところ、すぐに水位が上がってきたため慌ててストップ。完全な詰まりではないものの重度の詰まりです。
グリストラップの排水管に掃除口(メンテナンス用の排水口)がついていたのは親切設計でありがたいですね。
グリストラップの排水経路を調べるため配管を追っていくと、3mほど横に伸びてから壁を貫通し、ビルの建物外部に露出した共用管に接続されているのが確認できました。共用管は通常の大きなサイズの配管なので問題ないのですが、そこに接続されるまでのグリストラップの排水管が内径5cmの細い管なので、どうしても油脂汚れなどで詰まりやすいのだと思います。
まずは簡易的に詰まりを抜いておいた方が良いので電動ワイヤーを通しておきます。
共用管部分まで貫通させました。おそらく共用管より手前側の詰まりだと思われるので、これで詰まり自体は解消されたはず…。
水を流して確認してみると、実際詰まりは無くなっていました。ただ排水管の中は油脂汚れがべっとり付着しているので、高圧洗浄で清掃するのがベストです。
ガソリンエンジン式の高圧洗浄機を準備します。100Vの高圧洗浄機に比べて2~3倍の洗浄力があります。
配管の曲がりをうまく通過してくれるか不安でしたが、無事に奥まで入っていき、共用管の突き当たりまで到達できました。
噴射口を移動させながら、排水管に付着した油脂汚れを少しづつ落としていきます。作業中に詰まりを再発させていないか、こまめに確認しながら作業します。
管径が細い部分を特に念入りに高圧洗浄を行いました。最後にシンクの水道を全開に流し、排水具合に問題がないことを確認し作業は完了しました。
せっかく高圧洗浄機をお持ちなので、今後は定期的にお客様ご自身で清掃されれば詰まりを予防できるのではないかと思います。「定期的に」というのが肝心で、汚れが少ないうちにこまめに清掃していればこそ、今回のように洗浄中に詰まらせて業者を呼ぶ破目にもならずに済むことでしょう。