東京都北区東十条にあるラーメン店様から排水つまり解消のご依頼をいただきました。
「シンク」と「茹で麺機」の排水がつまっているとのことです。
シンクといっても、正確に何という名前で表現していいのか分かりませんが、鍋を炒める調理台の上に水道の蛇口があって、おそらくその水道から水を鍋に入れたり、鍋を洗ったりするのだと思います。その水を排水する排水口が調理台と一体になっているものです。中華料理系の厨房にはほぼこのタイプの調理台が設置されています。下の写真がそれです。
厨房には床下に埋め込まれたグリストラップが設置されています。シンクと茹で麺機の排水は、グリストラップに流れ込む構造になっています。
シンクと茹で麺機の排水は、床下で一つの排水管に合流してグリストラップに流れ込むようです。その管がどこかでつまっているため、両方とも流れていかず、床上に逆流してくる状況だと推測されます。
ラーメン屋さんということもあるので、油脂系のつまり汚れだろうと事前に予測していました。さっそく高圧洗浄機を準備し、つまりを洗浄除去する作業をはじめます。
排水の出口側であるグリストラップの方から洗浄ホースを入れていきます。いくつかの系統が管の途中で枝分かれしていますが、ホースを操作して目的の管に進ませていきます。
シンクと茹で麺機の系統と思われる管に入りました。白っぽい、明らかに油脂系の汚れが排水管から出てきました。この汚れを落とし切ればつまりは無くなるな、とこの時点では考えていました。
排水管の汚れを落としながら、少しづつ先の方にホースを進ませていきます。しかし、途中のある場所で、どうしてもホースが入っていかない。何かにカツカツ当たっている感触はある。排水管の曲がりなのだろうか。しかしそれにしては固い感触に感じる。
仕方がないので、今度は茹で麺機側からグリストラップに向かって洗浄ホースを入れてみます。しかし、やはり同じポイントでホースが何かに当たり、それ以上入っていきません。
何かがおかしい感じがしました。ただの油つまりではないです。
可能性として、2つが考えられました。何らかの異物が混入して管の中でがっちりと引っかかっているのか、もしくは、管が破損しているのか、のどちらかです。
今までの経験では、破損のときの感触にとても似ていると感じました。これまで数回遭遇したことがあるのですが、配管がぞうきんを絞ったようにくしゃくしゃに変形している場合があり、そのときと感触が似ていました。
【参考記事】下の事例の現場で、その配管破損に遭遇しています。
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ワイヤーによる厨房内の排水管清掃(東京・西日暮里・焼肉店様)
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何か異物のつまりである可能性もあるので、念のため、電動ワイヤーによる作業もやってみます。しかしやはりガラガラと音を立てるだけで全く歯が立たない。電動ワイヤーをここまでゴリゴリあててもびくともしないなんて、普通はありません。
こういった場合は管内カメラによる調査を行うのですが、あいにくこの日は管内カメラの修理中でした。オーナー様には事情を説明して、後日再度カメラ調査に伺いました。
管内調査してみると、やはり排水管の破損でした。いままで経験した時と全く同じで、管が途中でひしゃげていました。排水の通り道が狭まっているので、スムーズに流れていかないのです。箸一本ほどのわずかなすき間しか排水の通り道がありません。
こうなると排水管を入れ替える工事をしなければ根本的には直りません。厨房のコンクリートをはつって(掘り返して)管を部分的に入れ替えれば直ります。もしくは、勾配が問題なくとれるようであれば床上に排水管を新設して他の正常な排水管に接続し直すという方法もあります。
いずれにしても、ここから先はお客様で対策を考えてみるという事でした。
【参考記事】今回とは別の破損の仕方ですが、他にも排水管が破損していた事例があります。
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排水管の破損による床下漏水事例
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